断熱等級6の鉄骨ハウスメーカーは?標準6でも5になる理由

断熱等級「標準6」の落とし穴を説明する図。カタログの標準は断熱等級6だが、我が家は窓が多くて等級5になり、窓を減らして等級6にした流れと、3枚ガラス・窓を3か所減・C値1.98の実例 注文住宅・外構

鉄骨のハウスメーカーを比べていると、「鉄骨は寒い」という声と、カタログの「断熱等級6が標準」という言葉の両方が目に入ります。等級6が標準なら、自分の家も6になると思うはずです。

大手の鉄骨系で断熱等級6を全商品の標準にしているのは、セキスイハイム・ダイワハウス・ヘーベルハウスの3社です。ただし、標準が6でも、窓の多い間取りでは5になります。窓は壁より熱が逃げやすいからです。

我が家はセキスイハイムで注文住宅を建てた共働き夫婦です。窓が多くて一度は等級5になり、窓を減らして6に戻しました。

等級が5になると、2026年の国の補助金では、数十万円変わることもあります。これから鉄骨のハウスメーカーを比べる方に向けて、契約前に確かめておきたいことをまとめました。

この記事でわかること
  • 断熱等級6が標準の鉄骨ハウスメーカー(6社の公式情報)
  • 「鉄骨住宅は寒い」と言われる理由と、各社の断熱の工夫
  • 標準が6でも等級5になる理由
  • 3枚ガラスでも等級5と言われ、窓を3か所減らした我が家の実例
  • 断熱等級6にこだわるべき人と、5との違い
  • 等級5になると変わる補助金(2026年の例)
  • 契約前にハウスメーカーに聞いておきたい5つのこと

断熱等級6とは|家全体の「熱の逃げにくさ」で決まる

断熱等級(正式には断熱等性能等級)は、国が決めている家の断熱性能のものさしで、1〜7の7段階あります。等級6と7は2022年に新しく作られた等級で、2030年に義務化が予定されている等級5(ZEH水準)よりも上の性能です。

等級を決める中心になるのがUA値です。UA値は「家の外側(壁・屋根・床・窓)から、家全体の平均でどれくらい熱が逃げやすいか」を表していて、数字が小さいほど熱が逃げにくい家になります。もう1つ、夏に窓などから日射の熱がどれくらい入りやすいかを表すηAC値という基準もあり、両方を満たしたうえで等級が決まります。

断熱等級の決まり方の図。冬は屋根・壁・床・窓から熱が逃げ、窓からがいちばん多い(UA値)。夏は窓から日射の熱が入る(ηAC値)。等級1〜7のうち、等級4は2025年から新築で義務、等級5はZEH水準、等級6はUA値0.46以下(東京など)

等級6になるには、東京や大阪などの温暖な地域(省エネ地域区分5〜7)で、UA値0.46以下が必要です。寒い地域ほど基準は厳しくなります。

地域区分5〜7(水戸・東京・熊本など)のUA値の基準を、等級ごとに並べると次のとおりです。

等級UA値の基準位置づけ
等級40.87以下2025年4月から新築で義務
等級50.60以下ZEH水準。2030年に義務化の予定
等級60.46以下2022年に新設
等級70.26以下2022年に新設。いちばん上の等級

出典:国土交通省「住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設」

断熱等級は「家全体の平均」で決まります。同じ会社・同じ仕様でも、間取りが変われば数字も変わります。

断熱等級6が標準の鉄骨ハウスメーカー|6社の公式情報

鉄骨系の大手6社について、断熱等級6が標準かどうかを、各社の公式サイトで確認しました(2026年10月時点)。

会社断熱等級6時期・条件確認した情報
セキスイハイム全商品で標準2024年1月から。省エネ地域区分5〜7の平屋・2階建て公式プレスリリース
ダイワハウス全商品で標準2025年7月から(戸建注文住宅の平屋・2階建て)公式リリース
ヘーベルハウス全商品で標準2025年1月から(戸建て)業界紙の報道(旭化成の公式ページは確認できず)
パナソニックホームズ一部の商品で標準主力の「カサート」は標準で等級6に対応公式サイト
トヨタホーム一部の商品で標準「シンセ・コード」は等級6に標準対応。ほかは上位の断熱仕様を選ぶ形公式の発表資料
積水ハウス(鉄骨)対応(標準かは明記なし)「エリア・プランにより対応」公式サイト・発表資料

「全商品で標準」は、会社が戸建ての商品すべてで等級6を標準にしたと発表しているものです。パナソニックホームズとトヨタホームは商品によって違い、積水ハウスは「エリア・プランにより対応」という書き方でした。どの会社も、検討している商品で等級6が標準かどうかは、営業担当の方に直接確認してください。

セキスイハイムは「プランや一部採用メニュー等の条件によっては、断熱等級6に適合しない場合があります」、ダイワハウスは「間取り・仕様等により『断熱等級6』に適合しない場合もあり」、パナソニックホームズも「プラン、地域など条件によっては対応できない場合があります」と、公式に書いています。

「等級6が標準」は、会社が用意している仕様の話です。自分たちの間取りで等級6になることまでは約束していません。

鉄骨住宅は寒い?|鉄は熱を伝えやすいので各社が対策している

「鉄骨の家は寒い」と言われるのは、鉄が木よりもずっと熱を伝えやすい素材だからです。柱や梁の鉄骨が外の冷たさや暑さを家の中まで伝えてしまうと、断熱材を入れても、その部分から熱が逃げやすくなります。

そのため、断熱等級6を標準にしている鉄骨の会社は、それぞれ鉄骨まわりの断熱に工夫をしています。各社の発表に書かれている内容は次のとおりです。

鉄骨3社の断熱の工夫
  • セキスイハイム:工場で家の大部分をつくるユニット工法を生かし、工場生産で断熱・気密の施工をしている(「あったかしっかり断熱」)
  • ダイワハウス:柱の外側と内側の両方に断熱材を入れる「内外ダブル断熱」を標準にした。鉄骨の商品では断熱材の厚みが合計184mm
  • ヘーベルハウス:独自の「へーベルシェルタードダブル断熱構法」を2017年から標準にしている

どの会社も、鉄骨の弱点を断熱材の入れ方でおぎなっている、ということです。我が家は春から夏にかけての住み心地しかまだ書けませんが、少なくとも夏の暑さで「鉄骨だから」と感じたことはありません。

鉄骨は熱を伝えやすい素材です。各社の断熱の工夫は、展示場で「鉄骨の部分の断熱はどうしていますか」と聞くと比べやすくなります。

標準6でも5になる理由|窓は壁より熱が逃げやすい

等級6が標準なのに5になる一番の理由は、窓です。

家の外側のうち、壁・屋根・床には厚い断熱材が入ります。一方で窓はガラスとサッシでできているので、どうしても壁より熱を通しやすくなります。3枚ガラスのような性能の高い窓でも、断熱材の入った壁にはかないません。

業界団体の日本建材・住宅設備産業協会は、冬の暖房時に家から逃げる熱の58%、夏の冷房時に入ってくる熱の73%が、窓などの開口部を通ると公表しています。この割合は家の断熱性能によって変わりますが、窓が熱の出入りの一番大きな場所であることは変わりません。

UA値は家全体の平均なので、熱を通しやすい窓の面積が増えるほど、平均の数字は悪くなります。窓の数が多い、窓が大きい、という間取りでは、仕様は「等級6の標準仕様」のままでも、計算するとUA値が0.46を超えて等級5になってしまうことがあります。

等級が下がりやすい間取りの例
  • どの部屋にも窓をつけたい(窓の数が多い)
  • リビングの大きな掃き出し窓や、天井近くまでの高い窓を入れたい(窓が大きい)
  • キッチンや脱衣所、廊下など、小さな部屋にも窓を入れたい

どれも「明るい家にしたい」と考えたら自然に出てくる希望です。だからこそ、間取りの希望を伝えた段階で等級がいくつになるかを確かめておく必要があります。

窓を増やすほど明るく風通しの良い家になりますが、そのぶん断熱等級は下がる方向に動きます。明るさと等級は、間取りの中で取り合いになります。

我が家の実例|3枚ガラスにしても等級5と言われた

我が家はセキスイハイムの鉄骨住宅(ユニット工法)で、延床面積は約36坪、2026年4月に入居しました。断熱等級6が標準になってから契約した家です。

窓は、標準のペアガラス(2枚ガラス)から3枚ガラスに変えています。

我が家の標準から変えた箇所と金額はセキスイハイム オプション費用実例|標準から変えた8箇所にまとめています。

契約後の打ち合わせで窓の場所を決めていたとき、窓は全部で16か所ありました。そこで設計士から「このままだと窓が多くて断熱等級が5になります」と言われました。3枚ガラスにしても、窓の数が多いと足りなかったということです。

そこで3か所を減らし、13か所にして等級6に戻しました。窓を減らす前とあとを並べると、次のとおりです。

我が家の窓を減らす前と後の図。窓の場所を決めたときは16か所で断熱等級5。1階の北側の腰高窓・キッチンの小窓・脱衣所の小窓の3か所を減らして13か所にし、断熱等級6になった

減らした3か所は、腰高窓と小窓で、リビングの掃き出し窓のような大きな窓ではありません。それでも等級が1つ変わりました。

今の家に残っている13か所の窓は、次のとおりです。

階場所窓
1階リビング天井近くまでの大きな掃き出し窓 ×2
1階玄関・浴室・トイレ小窓 ×各1
2階子供部屋 ×2・寝室腰高窓 ×各1
2階バルコニーへの出入り口×1
2階書斎 ×2・トイレ小窓 ×各1
2階階段×1

「標準が等級6」でも、3枚ガラスでも、窓が多ければ5になります。我が家は窓を3か所減らして断熱等級6にしました。

断熱等級6にこだわるべき?|5との違いと、こだわったほうがいい人

断熱等級5と6の違いは、次のとおりです(地域区分5〜7の場合)。

等級5等級6
UA値の基準0.60以下0.46以下
国の位置づけZEH水準。2030年に新築の義務になる予定ZEHより上の等級として2022年に新設

国は等級6を、今の省エネ基準(等級4)と比べて、暖冷房のエネルギーをおおむね30%減らせる水準として決めています。

こだわったほうがいい人
  • GX志向型住宅の補助金を使いたい人(等級6が条件)
  • 暖冷房の光熱費を少しでも抑えたい人
  • 2030年に最低ラインになる等級5より、余裕を持たせたい人
こだわらなくてもいい人
  • 大きな窓や吹き抜けなど、明るさや開放感を優先したい人
  • GX志向型住宅の補助金の対象にならない人

我が家が6を選んだのに、大きな理由はありません。5より6のほうが良さそう、という感覚でした。

断熱等級6にするか断熱等級5にするかは、明るさとの引き換えになることがあります。決める前に「光を取るだけの窓なら残せないか」を聞いてみてください。

断熱等級6にこだわるかどうかは、補助金・光熱費・明るさのどれを優先するかで決まります。

等級5になると補助金が変わることも|2026年の例

断熱等級が6か5かは、住み心地だけでなく補助金の額にも関わります。2026年に新築の家を建てる人向けの国の補助金「みらいエコ住宅2026事業」では、断熱等級6以上が条件の1つになっている区分があります。

補助の区分断熱等級の条件補助額(地域区分5〜8)補助額(地域区分1〜4)
GX志向型住宅等級6以上110万円125万円
長期優良住宅等級5以上75万円80万円
ZEH水準住宅等級5以上35万円40万円

出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」公式サイト(2026年10月時点)

窓が多くて等級5になると、一番補助額の大きいGX志向型住宅の条件を満たせなくなります。長期優良住宅として申請できる場合でも、地域区分5〜8なら補助額は110万円から75万円になり、35万円の差が出ます。

ただし、GX志向型住宅は断熱等級6だけでなく、エネルギーの消費量を大きく減らすことや、家の電気を管理するシステム(HEMS)を入れることなども条件です。等級6なら必ずもらえる、というものではありません。また、申請するのは施主ではなくハウスメーカーなどの事業者で、予算がなくなると受付が終わります。制度は年度ごとに変わるので、最新の条件は契約前に営業担当の方に確認してください。

等級が6から5に下がると、補助金の区分が変わることがあります。「この間取りで、どの補助金の条件を満たせますか」も一緒に聞いておくと安心です。

C値は断熱等級に入らない|我が家は1.98

断熱等級とよく一緒に出てくるのがC値です。C値は「家にどれくらい隙間があるか」を表す数字で、小さいほど隙間が少ない家(気密が高い家)になります。

気をつけたいのは、C値は断熱等級の計算に入っていないことです。断熱等級6の家でも、C値がいくつかは別の話になります。また、今の国の省エネ基準にはC値の決まりがありません(以前はありましたが、2009年の改正でなくなりました)。気密の数字は、各社が自主的に測って出しているものを比べるしかありません。

我が家は気密測定をしてもらい、C値は1.98でした。気密を売りにしている木造の一条工務店が公式に出している平均の実測値0.59と比べると、3倍以上の差があります。鉄骨のユニット工法は、気密の数字では木造の高気密住宅にかないません。

耐震や費用、間取りも含めた鉄骨と木造の違いは、鉄骨住宅と木造住宅どっちがいい?違いと選び方をわかりやすくにまとめています。

ただ、上に書いたとおり、夏のエアコンの効きで困ったことはありません。断熱等級6と3枚ガラスで熱の出入りを抑えられていて、気密の数字ほどの差は感じていない、というのが住んでみた実感です。

C値は断熱等級とは別の数字です。気になる方は「気密測定はできますか」「C値はいくつくらいですか」と、等級とは別に聞いてください。

契約前にハウスメーカーに聞いておきたい5つのこと

契約前に、次の5つを聞いてみてください。

聞くこと聞く理由
この間取りだと、断熱等級はいくつになりますかカタログの「標準」は会社の仕様。自分の間取りの数字を聞かないと、我が家のように契約後に知ることになる
等級6を保つには、窓はどれくらいまで入れられますか窓の希望と等級は取り合いになる。「何か所まで」「どの大きさまで」と具体的に聞くと会社ごとの差が見える
光を取り入れるだけの窓なら残せますか。ガラスを変えると、どこまで窓を増やせますか我が家は3枚ガラスでも足りなかった。窓の大きさ・向き・ガラスの種類で答えが変わる
気密測定はできますか。C値はいくつくらいになりますかC値は断熱等級に入らないので、別に確かめる必要がある。いつ・誰が測るのかまで聞いておくと安心
この間取りで、どの補助金の条件を満たせますか等級6以上が条件の補助金がある。窓で等級5になると、補助額が変わることがある

同じ質問を何社かにすると、答え方の違いがそのまま比べる材料になります。数字ですぐ答えてくれる会社もあれば、間取りを描いてみないと分からないという会社もあるはずです。

とはいえ、共働きで何社もの展示場を回って同じことを聞くのは大変です。我が家も、3社を回るのが限界でした。何社くらい比べればいいか、どうやって資料を集めたかはハウスメーカーは何社見る?4社に資料請求した本音に書いています。

まとめ|標準6でも、自分の間取りの等級を確かめる

  • 断熱等級6を全商品の標準にしている大手の鉄骨系は3社(セキスイハイム・ダイワハウス・ヘーベルハウス)。パナソニックホームズとトヨタホームは一部の商品で標準(2026年10月時点)
  • 標準が6でも、窓が多い間取りでは5になる。我が家は16か所で5になり、3か所減らして6にした
  • 6にこだわるかどうかは、補助金・光熱費・明るさのどれを優先するかで決まる
  • 契約前に「この間取りだと等級はいくつですか」を、何社かに聞いて比べる

標準はあくまで会社の仕様で、最後に等級を決めるのは自分たちの間取りです。

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