浴室の窓は必要なのか、いらないのか。調べはじめると「窓なしで正解」という記事ばかりが出てきて、かえって決めきれなくなっていませんか。
先に結論をお伝えします。窓なしで問題ないお宅は多いと思います。ただし、浴室を標準より広くするつもりなら、一度立ち止まったほうがいいです。
実を言うと、我が家の浴室に窓をつけると決めたのは私ではありません。打ち合わせの席で「窓はいらないんじゃないか」と言っていたのは、私のほうでした。押し切ってくれたのは妻です。セキスイハイムで家を建てて2026年3月に引き渡しを受け、いまちょうど5か月。あのとき窓をつけておいてよかった、と思っています。
この記事では、窓に否定的だった人間が実際に住んでみて何を感じたかを、良かったところも面倒なところも正直に書きます。
- 浴室に窓をつけるか迷っている方
- 「窓なし」を勧める記事ばかりで判断できずにいる方
- 浴室を標準より広くしようと思っている方
浴室の窓はいらない?結論は「浴室のサイズによる」
窓が必要かどうかは、浴室の広さとセットで考えると答えが出ます。
まず、窓なしを勧める記事が多いのには、ちゃんとした理由があります。断熱、掃除の手間、防犯、間取りの自由度。どれも事実ですし、私自身も同じ理由で「いらない」と思っていた側です。そのあたりは次の章で詳しく書きます。
ただ、こうした記事が前提にしているのは標準的な広さの浴室です。浴室を広くすると、換気の条件そのものが変わります。我が家は浴室を最大サイズにしたのですが、換気扇を回しっぱなしにしても水が乾ききらない日があります。ここが誤算でした。
そのうえで、我が家の結論はこうです。
- 標準サイズの浴室なら、窓なしでも十分回ると思います
- 標準より広くするなら、窓を検討する価値があります
理由をひとつずつ書いていきます。
私も「お風呂に窓はいらない」と思っていました
打ち合わせのとき、私が窓に反対していた理由はこんなところです。
- 拭く場所が増えて、掃除が面倒になりそう
- 冬に浴室が寒くなりそう
- 外から見られるのが気になる
- 窓の分だけ費用が乗る
いま「浴室 窓 いらない」で検索して出てくる理由と、ほとんど同じです。つまりこの記事を読んでいる方と、私の出発点は同じだったということになります。
対する妻の主張は、ほぼ一点でした。換気です。それと、もともと温泉や露天風呂が好きな人なので、お風呂の時間そのものを大事にしたいという気持ちもあったようです。
私は「換気扇があるんだから大丈夫でしょう」と返しました。設備でまかなえるものに、わざわざ窓を足す必要はないだろうと。
結果を先に言うと、この「換気扇があるから大丈夫」という読みが外れました。

つけてよかった点|換気の速さと、プチ露天風呂
住んでみて「つけてよかった」と感じているのは、大きく2つです。
①換気が早い|カビ対策の本丸は「濡れている時間」
浴室のカビ対策というと、防カビ剤をまくとか、こまめにこすり洗いをするといった話を思い浮かべる方が多いと思います。我が家も入居前にひととおりやりました。
ただ、住んでみて実感したのは、いちばん効くのは「濡れている時間を短くすること」だということです。カビは水分がなければ増えません。逆に言えば、どれだけ薬剤を使っても、いつも湿っている場所には生えてきます。
窓を開けたときと閉めたままのときでは、乾く速さがはっきり違います。入浴後に窓を開けておくと、朝には床が乾いています。閉めたままだと、翌日の夕方になっても壁の下のほうが湿っていることがあります。
この差が毎日積み重なると考えると、換気は思っていたよりずっと大きな要素でした。
②プチ露天風呂気分になる
実用の話ばかり続けましたが、これも正直に書いておきます。
夜、照明を落として窓を開けて入ると、外の空気が入ってきて気分が変わります。温泉とまではいきませんが、ちょっとした露天風呂気分です。もともと妻が露天風呂好きだったので、これは狙いどおりでした。
数字にできない部分ですが、毎日入る場所なので、この「気分がいい」は思っていたより効きます。窓の要否をコストと手間だけで判断していた自分には、なかった視点でした。
浴室を広くするなら「窓なし」は要注意
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。
我が家は浴室を1721という最大サイズにしました。標準からのアップで62,000円(税抜・2026年の契約時点)のオプションです。金額は仕様や時期で変わるので目安として見てください。このサイズ変更自体は、今でも「上げてよかった」といちばんに挙げるくらい満足しています。
ただ、住みはじめて予想外だったのが乾きの遅さでした。換気扇をフル稼働させても、床や壁の水がなかなか引かないんです。
考えてみると理屈は単純でした。
- 浴室を広くすると、水がつく床・壁・扉の面積がそのぶん増える
- 一方で、換気扇の能力は浴室を広くしたからといって自動的に上がるわけではない
- 結果、同じ換気扇で乾かさなければいけない面積だけが増える
しかも換気扇は、基本的に空気を吸い出すだけの装置です。吸い出すためには、どこかから同じ量の空気が入ってこなければいけません。ドアの下のわずかなすき間だけで空気を入れようとすると、どうしても流れが弱くなります。
窓を開けると、ここが変わります。入口ができるので浴室の中に空気の流れが生まれ、乾き方がまるで違います。
「浴室を広くしたい」と「窓はいらない」は、セットにすると相性が悪い組み合わせです。広くすること自体はおすすめしたいので、そのぶん換気をどう確保するかも一緒に考えておくと後悔が減ると思います。
浴室のサイズをどう決めたか、標準と最大でどれくらい違うのかはセキスイハイムのお風呂は標準で十分?1721にした本音にまとめています。
浴室を広くするほど乾かす面積は増えますが、換気扇の力が自動で上がるわけではありません。サイズアップを検討している方は、窓か浴室乾燥機か、換気をどう足すかもセットで考えておくと安心です。
浴室の窓は「縦すべり出し窓」がよかった
我が家の浴室についているのは、縦長でハンドルを回して開けるタイプの窓です。縦すべり出し窓と呼ばれる形になります。

窓をつけると決めた後は形の話になるのですが、ここもわりと重要でした。引き違い窓(左右にスライドする、いわゆる昔ながらの窓)と比べると、浴室では次の点が良かったです。
- サッシの溝が少ない:引き違い窓はレールに水と汚れがたまります。すべり出し窓は溝が浅く、拭く手間が小さくて済みます
- 開口が細長い:人が通れる大きさではないので、防犯面の不安が小さくなります
- 風を取り込みやすい:ガラス面が壁から斜めに開くので、壁沿いに流れる風を室内へすくい取る形になります
窓をつけるかどうかだけでなく、どの形にするかでもデメリットの大きさは変わります。「窓は掃除が大変」「防犯が不安」という一般論は、引き違い窓を前提にしている部分があると感じました。
デメリットは「潰せるもの」と「まだ分からないもの」がある
良いことばかり書いてもフェアではないので、マイナス面も3つに分けて正直に書きます。
潰せたもの|ゴムパッキンまわりのカビ
窓まわりは、窓枠と壁の境目から水が入り込みやすい構造になっています。ここを放っておくと、ゴムパッキンやコーキングがカビの温床になります。窓を嫌がる理由として、いちばんよく挙がるところだと思います。
我が家は入居前、まだ家具も荷物も何も入っていない状態のうちに、窓枠と壁の境目に防カビテープを貼りました。すき間を最初から埋めてしまう作戦です。汚れてきたら貼り替えればいいので、パッキン自体を守ることができます。
入居から5か月経ちましたが、窓まわりのカビは出ていません。窓のカビは、あとから戦うより最初にふさぐほうが圧倒的にラクです。入居前にやっておいた浴室のカビ対策は新築浴室のカビ対策6選にまとめました。
残っているもの|サッシの掃除は確実に増える
これは正直に書きます。拭く場所は増えました。窓がなければ、そこは一枚の壁だったわけですから当然です。
ただ、縦すべり出し窓は溝が浅いので、こびりつく前にサッと拭けば終わります。我が家は週末の掃除のときに一緒に拭く程度で回っています。「掃除が増える」は本当ですが、増え方は窓の形でかなり変わるというのが5か月使った感想です。
まだ判断できないもの|冬の寒さ
ここははっきりお断りしておきます。我が家は2026年3月の入居なので、まだ冬を越していません。窓の最大のデメリットとして必ず挙がる「冬に寒い」を、私はまだ体験していないということです。
今わかっている範囲で言えるのは、家全体の断熱と窓が効いていて、エアコンが5〜10分で効くくらいには効率がいいということくらいです(セキスイハイムで快適エアリーなし|エアコン3台の暮らしに書いています)。我が家は断熱等級6で窓は3枚ガラス。鉄骨のユニット工法なので気密(C値)は木造の高気密住宅ほどの数値ではありませんが、それでも効きに不満はありません。ただし浴室の窓が冬に実際どうなのかは別の話なので、冬を越したらこの記事に追記します。
新築の浴室に窓が必要な人・なしでいい人
ここまでの話をまとめて、条件で分けてみます。
窓なしでいいと思う人
- 浴室が標準サイズ(1616など)で、広くする予定がない
- 浴室乾燥機を使って乾かす前提でいる
- 隣家との距離が近く、窓を開けても風が抜けにくい立地
- 掃除する場所を1つでも減らしたい
窓をつけたほうがいいと思う人
- 浴室を標準より広くする(我が家がこれです)
- 入浴後に窓を開ける習慣がある、またはつけられそう
- 湿気がこもりやすい立地・間取りになりそう
- お風呂の時間そのものを楽しみたい
逆に言えば、標準サイズで浴室乾燥機を使う予定なら、窓なしを選んでも困らないと思います。窓なしを勧める記事が多いのは、その条件に当てはまる家が多いからです。間違ったことを言っているわけではありません。
気をつけたいのは、その前提を確認しないまま「窓はいらないらしい」と決めてしまうことだと思います。
窓なしで迷っているなら、まず浴室のサイズを確認してみてください。標準サイズなら窓なしでも困りにくく、広くするなら換気をどう確保するかを一緒に決めておくと後悔が減ります。
まとめ|窓の要否は「浴室のサイズ」とセットで考える
窓に反対していた側の人間として、5か月住んだいまの結論を並べます。
- 浴室の窓が必要かどうかは、浴室の広さで変わる
- 広くすると乾かす面積が増えるが、換気扇の能力は上がらない。我が家は最大サイズにして換気扇フル稼働でも乾ききらない日がある
- つけてよかったのは換気の速さと、プチ露天風呂気分の2つ
- カビは入居前に防カビテープでふさげば防げる(5か月経って発生なし)
- サッシ掃除は確実に増えるが、縦すべり出し窓なら手間は小さい
- 冬の寒さはまだ未経験。冬を越したら追記します
「窓はいらない」と言っていた私が、いちばん納得しているのが換気の部分です。設備でまかなえると思っていたものが、浴室を広くしたことで足りなくなった。窓はそこを埋めてくれています。
これから仕様を決める方は、窓の要否だけを単独で考えず、浴室のサイズとセットで判断してみてください。
入居前にやっておいた準備の全体像は新築の引渡しから入居まで|3週間でやったこと全まとめにまとめています。あわせて読んでみてください。

