セキスイハイムで家を建てるとき、ほぼ必ず名前が挙がるのが全館空調の「快適エアリー」です。ネットで調べても、採用した人の話ばかりが出てきます。
では、付けなかった家は実際どうなのか。その答えを書いている記事が、探してもほとんど見つかりませんでした。
我が家は2026年3月にセキスイハイムで引き渡しを受けた共働き夫婦です。快適エアリーは最初から検討していません。代わりに三菱の霧ヶ峰を3台つけて暮らしています。結論から言うと、今のところ後悔はありません。
この記事では、なぜ選ばなかったのか、そして付けない家に住んでみて温度差はどうなのかを、場所ごとに正直に書きます。
- 快適エアリーを付けるか迷っている方
- 全館空調なしで温度差が出ないか不安な方
- 初期費用とランニングコストを抑えたい方
ひとつだけ先にお断りしておきます。ここに書くのは入居から4か月、春から夏にかけての実感です。冬の寒さはまだ経験していないので、冬を越したらあらためて追記します。全館空調の一番の売りは冬の温度差対策なので、そこは正直にお伝えしておきます。
我が家は快適エアリーを最初から検討しませんでした
迷った末に外したのではなく、候補に入れませんでした。
家づくりでは決めることが山ほどあります。その中で快適エアリーについては、営業担当から説明を受けた時点で「うちは付けない」と早々に決めました。正式な見積もりも取っていません。
営業担当の話では、快適エアリーを入れると150万〜200万円くらいとのことでした。あくまで概算で、間取りや仕様で変わる前提の数字です。
代わりに入れたのが三菱の霧ヶ峰3台です。こちらは見積もりに載っている実額があります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| エアコン本体(3台分) | 471,900円 |
| 取り付け工賃 | 184,800円 |
| 合計 | 656,700円 |
設置したのはLDK(約20畳)に霧ヶ峰JXV、寝室(約10畳)と子供部屋(約5.5畳)にBXVです。もう1室の子供部屋は、穴と専用コンセントだけ用意してあえて設置していません。
快適エアリーの概算150万〜200万に対して、エアコン3台で65万6,700円。ざっと3分の1です。もちろん機能はまったく別物なので、単純比較はできません。それでも、この差額をどう見るかが我が家の出発点でした。
なお、この65万6,700円は見積書に載っていた金額です。実際には打ち合わせのなかで調整してもらった部分もありました。建物本体の値引きまで含めた家全体のお金については、セキスイハイムの値引き474万|総額と坪単価を全公開で資金計画書のまま公開しています。
快適エアリーを選ばなかった理由
決め手は初期費用そのものより、その先に続く出費でした。
すでに背負っている維持費に、もうひとつ足す判断ができなかった
これが一番大きな理由です。
家を建てると、住み続けるかぎり修繕費がかかります。我が家はオール電化なので、それに加えてパワーコンディショナーやエコキュートの修理・交換という出費も、いずれ必ずやってきます。太陽光を載せている以上、これは避けられません。
そこへさらに全館空調のメンテナンス費用を積むとなると、正直きついと感じました。初期費用は一度きりですが、維持費は住んでいるかぎり続きます。
メンテナンスの手間もかかる
費用だけでなく、手間の話もあります。全館空調はフィルターや床のガラリの掃除が定期的に必要です。共働きで、平日にまとまった時間を取れない我が家にとって、掃除する場所が増えるのは歓迎できませんでした。
電気代と固定資産税
快適エアリーは家全体を空調するので、その分の電気代がかかります。使う部屋だけ冷やす個別エアコンとは、そもそも前提が違います。
また、営業担当からは固定資産税の評価にも影響すると聞きました。建物に組み込む設備なので、家屋の評価に含まれるという説明でした。壁掛けエアコンは家財扱いなので、この点は変わってきます。
壊れたときのことが引っかかった
SNSを見ていると、快適エアリーが故障してメンテナンスが大変になり、結局エアコンに切り替えたという投稿を見かけました。全館空調は1台で家全体をまかなう仕組みなので、止まったときの影響が大きいのが気になりました。
エアコンなら、1台壊れてもその部屋だけの話で済みます。買い替えも1台ずつできます。
機能を分解したら、エアコンと空気清浄機で足りると思った
最後にこれです。
快適エアリーは「家全体の空調」と「きれいな空気」をひとまとめにした設備です。でも分けて考えると、温度はエアコン、空気は空気清浄機で対応できます。
我が家はLDKにエレクトロラックスのPure A9.2を置いています。空気の面はこれで足りているので、わざわざ空調と一体になった設備を入れる必要を感じませんでした。
全館空調は初期費用だけで判断しないほうが安全です。電気代・フィルターやガラリの掃除・将来の修理や交換費用まで含めて、住み続けるあいだ払い続けられるかで考えると、答えが変わることがあります。
エアコン3台で暮らしてみて|効いているのは家の性能だった
家の性能が高いと、エアコン1台の効き方がまるで変わります。
住んでみて一番驚いたのが、エアコンが効くまでの速さでした。
前に住んでいたアパートでは、帰宅してエアコンをハイパワーでつけても、涼しくなるまで1時間近くかかっていました。今の家は5分から10分です。同じ夏とは思えないくらい違います。
おそらくエアコンの性能もありますが、それ以上に家の性能そのものが効いていると感じます。我が家は断熱等級6で、窓は3枚ガラスです。壁や窓から熱が入ってこないので、一度効いてしまえばあとは楽なんです。とくに効いていると感じるのは窓。家の熱がいちばん出入りするのは開口部なので、ここが3枚ガラスなのは大きいと思います。
なお、断熱と気密はよく混同されますが、別の指標です。断熱は熱の伝わりにくさ、気密は隙間の少なさ(C値)を指します。エアコンの効きには、この両方が関係します。断熱で熱の出入りを抑え、気密で隙間からの空気の行き来を抑える。どちらか一方ではなく、両方そろって効いてくるものです。
そのうえで正直に書くと、我が家は鉄骨のユニット工法なので、気密のほうは木造の高気密住宅ほどの数値ではありません(C値1.98)。ただ、実際に住んでみてエアコンの効きで困ったことは一度もありません。5〜10分で効いて、そのあとは設定温度を保ってくれます。気密の数値が最高でなくても、断熱等級6と3枚ガラスの窓があれば、普段の暮らしでは十分に効く——これが5か月住んだ実感です。
それを一番感じるのが窓です。我が家のリビングは掃き出し窓を大きく取っていて、日中は日差しを遮るものがありません。直射日光がそのまま入ってきます。
普通なら暑くてたまらないはずですが、室内はほとんど暑くなりません。3枚ガラスにしたのが効いているのだと思います。エアコンの設定も日中は27.5度、夜は28度で足りていて、キンキンに冷やさなくても快適に過ごせています。
さらに、霧ヶ峰はスマホアプリから遠隔で操作できます。帰る前に電源を入れておけば、玄関を開けた時点でもう涼しい。この使い方をするようになってから、「家に帰ってから暑さと戦う」時間がなくなりました。
機種ごとの使い勝手や電気代については、実際に使った感想を霧ヶ峰JXV・BXVの口コミレビューにまとめています。
温度差は実際どうか|場所ごとの正直な話
全館空調なしで一番心配なのがここだと思うので、場所別に書きます。
先にお伝えしたとおり、これは春から夏にかけての実感です。あと、我が家は基本的に室内のドアを開けっぱなしで暮らしています。これが前提です。
脱衣所|サーキュレーターで気にならない
普段からドアを開けているので、LDKの空気がそのまま入ってきます。サーキュレーターを回せば、暑さは気になりません。ドアを閉めるのは、お風呂に入るときと来客があるときくらいです。
トイレ|意外と暑くない
正直、理由はよく分かっていません。ただ、この時期でもまったく暑さを感じません。覚悟していたぶん拍子抜けしました。
1階の廊下|そもそも短く、涼しい
我が家は1階に廊下らしい廊下がほとんどありません。あるドアも開けっぱなしなので、涼しさがそのまま届いています。
階段|ここは暑い
正直に書くと、階段は暑いです。暖かい空気が上に溜まるので、当然といえば当然かもしれません。ここは快適エアリーがあれば違ったかもしれないと思う場所のひとつです。
2階|寝室のエアコン+ドア開放で足りる
寝室でエアコンをつけ、部屋のドアを開けておけば、2階の廊下まで涼しくなります。2階全体を冷やすために特別なことはしていません。
一番端の書斎|ここは対策を考え中
2階のいちばん端にある約1.3畳の書斎は、かなり暑いです。エアコンの風がまったく届かない位置にあるうえ、狭いぶん熱がこもります。ここは現在、対策を検討しているところです。
まとめると、暑いのは「階段」と「一番端の書斎」の2か所だけでした。逆に言えば、それ以外は個別エアコンとドアの開け方でまかなえています。
全館空調なしで暑かったのはこの2か所だけでした
・階段(暖かい空気が上に溜まる)
・2階のいちばん端にある書斎(風が届かない)
逆に、脱衣所・トイレ・1階と2階の廊下は、ドアを開けておくだけで気になりませんでした。
それでも快適エアリーが向いている人
我が家に合わなかっただけで、向いている家は確実にあります。
ここまで読むと「付けなくていい」と言っているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。以下に当てはまる方は、快適エアリーを前向きに検討する価値があると思います。
- ドアを閉めて暮らしたい方。我が家の快適さは、ドアを開けっぱなしにする運用でかなり支えられています。プライバシーや生活音の関係でドアを閉めたい家庭では、同じようにはいきません
- 家中どこでも一定の温度にしたい方。階段や端の部屋の温度差が許容できないなら、全館空調のほうが確実です
- 間取りが複雑で、部屋数が多い家。エアコンの台数が増えるほど、初期費用の差は縮まります
- 初期費用よりも、日々の快適さを優先したい方
我が家が選ばなかったのは、維持費を増やしたくないという価値観と、ドアを開けて暮らすスタイルが噛み合った結果にすぎません。判断基準は家庭ごとに違います。
まとめ
今回は、セキスイハイムで快適エアリーを付けなかった我が家の判断と、実際に住んでみた温度差についてお伝えしました。
- 快適エアリーは最初から検討せず、霧ヶ峰3台(本体471,900円+工賃184,800円=656,700円)を選んだ
- 営業担当からの概算では快適エアリーは150万〜200万円。おおよそ3倍の開き
- 選ばなかった最大の理由は、修繕費やパワコン・エコキュートの交換費に、さらに維持費を足せなかったこと
- 断熱等級6と3枚ガラスの窓で、エアコンは5〜10分で効く(アパート時代は1時間)。気密は木造の高気密住宅ほどではないが、効きに不満はない
- 直射日光が入る大きな掃き出し窓でも、3枚ガラスのおかげか室内は暑くならない。設定は日中27.5度・夜28度
- 暑いのは「階段」と「一番端の書斎」の2か所だけ
- ドアを閉めて暮らしたい家庭には、快適エアリーのほうが向いている
全館空調を入れるかどうかは、金額だけでは決められません。どんな暮らし方をするかで答えが変わります。我が家のように「ドアは開けっぱなし」「維持費は増やしたくない」という家なら、個別エアコンでも十分やっていけると感じています。
エアコンを何台つけるかで迷っている方は、部屋ごとの考え方を新築のエアコンは何台必要?にまとめているので、あわせて読んでみてください。
冒頭でお伝えしたとおり、冬の温度差はまだ経験していません。寒い時期を越したら、階段や脱衣所が実際どうだったかを追記します。

