「セキスイハイムの階段って、狭くないですか」——図面に書かれた寸法を見て、そう思っていませんか。
踏面21.5cm。数字だけ見せられても、それが広いのか狭いのか判断できません。調べると「セキスイハイムの階段は急」という声も出てきて、余計に不安になります。
結論からお伝えすると、見るべきものは2つだけです。
自分の足のサイズと踏面の差。そして、階段のプランを自分で選べると知っているかどうか。
我が家はセキスイハイムで注文住宅を建てた共働き夫婦。階段はU18型で、実際に測ると踏面21.5cm・蹴上20cm・幅81cm・14段でした。私の足は26.5cm。約5cmはみ出します。
この記事では、我が家の実測値と、あとから知った「選べた17種類の階段プラン」、そしてユニット工法のせいで希望の向きに階段を置けなかった話まで出します。読み終わるころには、間取りが固まる前に営業さんへ何を聞けばいいかがはっきりしているはずです。
- セキスイハイムで間取りの打ち合わせ中で、階段の寸法が気になっている方
- 「セキスイハイムの階段は急」という声が本当なのか知りたい方
- 階段を標準のまま決めていいのか迷っている方
結論:我が家の階段は踏面21.5cmでした

まず実測値をそのまま出します。メジャーを当てて測った数字です。
| 項目 | 我が家(U18型階段) |
|---|---|
| 踏面 | 21.5cm |
| 蹴上 | 20cm |
| 幅 | 81cm |
| 段数 | 14段 |

法律の基準は、思っているよりずっとゆるい
階段の寸法は建築基準法(施行令第23条)で決まっています。ただ、ここを読むと拍子抜けします。
| 踏面 | 蹴上 | 幅 | |
|---|---|---|---|
| 住宅 | 15cm以上 | 23cm以下 | 75cm以上 |
| 住宅以外(事務所など) | 21cm以上 | 22cm以下 | 75cm以上 |
| 我が家 | 21.5cm | 20cm | 81cm |
同じ法律のなかで、住宅の踏面は15cm以上、事務所などは21cm以上と決められています。つまり住宅の基準のほうが6cmもゆるい。極端に言えば、足の半分しか乗らない階段でも住宅なら合法です。
我が家の21.5cmは、住宅の基準を大きく上回っています。それでも十分とは言えませんでした。「法律を満たしている=上りやすい」ではないということです。
幅81cmは、数字ほど広くない
幅についても触れておきます。法律の基準は75cm以上。我が家は81cmなので、ここも基準は超えています。

ただしこの81cmは、壁から壁までを測った寸法です。ここに手すりが付くぶん、実際に体が通れる幅はもう少し狭くなります。
ふだんの上り下りで幅が気になることはありません。効いてくるのは大きな荷物を2階へ運ぶときです。幅と、次に書く廻りの形が同時に効いてきて、家具の搬入経路はかなり限られます。
計算式では「上りやすい」はずだった
階段の上りやすさには、建築の世界でよく使われる目安があります。
蹴上×2+踏面=60cm。この合計が60cmに近いほど、日本人にとって上り下りしやすいとされる式です。
我が家に当てはめてみます。蹴上20cm×2+踏面21.5cm=61.5cm。ほぼ理想値でした。
正直、これを計算したときは驚きました。数字の上では「上りやすい階段」に分類されるのに、足は5cmはみ出ているからです。
理由を考えて、腑に落ちました。この式が見ているのは「歩幅」であって、「足のサイズ」ではないのです。1段ずつ足を運ぶリズムは60cmで合っていても、その1段に足が収まるかどうかは別の話でした。
法律の基準も、業界の目安も、我が家の階段は満たしています。それでも足りない。ここが今回いちばん伝えたいところです。
- 法律の基準は最低ライン。満たしていても足は乗りきらない
- 階段は17種類から選べる。ただし間取りが固まる前に言わないと通らない
- 図面を見て、踏面の数字と自分の足のサイズを比べておく
住んでみて感じる狭さ
暮らしてみて、どこで狭さを感じるかがはっきりしてきました。
足の半分しか乗っていない
26.5cmの足を21.5cmの踏面に乗せると、かかとを蹴込み板につけてもつま先が5cm前に出ます。感覚としては足の踵は空中です。
ふだん上る分には、無意識に足を斜めにしたり、つま先だけで乗ったりして対応しています。慣れといえば慣れなのですが、慣れないと危ないということでもあります。
怖いのは上るときより降りるとき
上るときは前かがみになるので、あまり気になりません。問題は降りるときです。
体重が前にかかるうえに、視線の先に見えているのは次の段ではなく1階の床。踏面が浅いぶん、足を置ける範囲が狭く、荷物を持っているときは特に気を使います。
廻りの部分は、内側ほど狭い
我が家のU18型は、途中で180度向きを変える廻り階段です。この廻りの段は扇形をしているので、内側に寄るほど踏面が狭くなります。
21.5cmというのは、あくまで真っすぐな部分の寸法です。廻りの内側を歩くと、それより狭いところを踏むことになります。
2階から見下ろすと、扇形の段が中央に集まっているのがよく分かります。三角形の先端にあたる部分は、踏める面積がほとんどありません。急いでいるときに内側を通ろうとすると危ないので、我が家では自然と外側を回るようになりました。

この形は「180度向きを変えられる」というメリットと引き換えです。同じ面積で高さを稼げるかわりに、廻りの内側が犠牲になります。
いま困ってはいない。ただ老後は別
正直に書くと、30代のいまは困っていません。毎日ふつうに使えています。
気になるのは老後です。この階段を、これから何十年も上り下りします。いまは意識せず調整できていることが、そのままできる保証はありません。踏面を見るたびに、そこだけは引っかかっています。
階段は選べる。ただし早く言わないと通らない
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
「セキスイハイムの階段は急」と言われる理由
調べていると「セキスイハイムの階段は急」「なぜあんなに小さいのか」という声にぶつかります。住んでみて、理由は2つあると感じています。
ひとつはユニット工法の制約です。工場でつくった箱を組み合わせる以上、階段を置ける場所と向きは無限ではありません。これは後述します。
もうひとつは面積の取り合いです。階段をゆったりさせれば、そのぶんリビングや収納が削られます。限られた面積のなかで配分を決めるので、優先順位を付けないかぎり階段は小さいほうへ流れていきます。我が家もまさにそうでした。
ただ、これは「選べない」という意味ではありません。そこを勘違いしていたのが、私の一番の失敗でした。
選べる階段は17種類あった
我が家がU18型に決まったあと、カタログを見直して驚きました。標準のラインアップだけで17種類あります。そして平面図を見比べると、まっすぐな直階段が4種類、途中で曲がる・折り返すものが13種類に分かれていました。

| 形 | 階段プラン |
|---|---|
| まっすぐ (折り返しなし) | 桁直27/桁平行27/桁平行29/桁平行36 |
| 曲がる・折り返す | C型/上曲り/廻り/U18型(我が家)/桁C32/G型/廻り大階段/J18S/L型/C13/C27/U型/U16型 |
これとは別に、デザイン性の高い階段も用意されています。
- らせんオープン階段(扇型の段板を1本の鋼製支柱で支えるタイプ)
- オープンM手摺階段(木製のオープン手摺。L型・U型・桁平行27・桁平行36の4プランにしか設定できません)
- 直27オープン階段・直23オープン階段
さらに、階段そのもの以外にも選べるものがあります。
- 拡張踊り場(踊り場を広げるオプション)
- 階段下収納/腰壁手摺/笠木(天然木無垢集成材)
- 踏板のすべり止め=ノンスリップ(樹脂)か溝付(加工)。プランによって選べる種類が違います
- 色=同色コーディネート/ホワイトコーディネートの計8パターン。ホワイトはオープンM手摺だと選べません
これだけの選択肢があることを、私は打ち合わせの時点で把握していませんでした。階段の話が出たときに「標準でお願いします」と答えてしまえば、この17種類は目の前を通り過ぎていきます。
我が家は他の場所でも、標準だと思っていたものがオプションだったり、その逆だったりしました。何が標準で何が選べるのかはセキスイハイム オプション費用実例|標準から変えた8箇所にまとめています。
「この向きに置きたい」はユニットの都合で通らなかった
もうひとつ、セキスイハイムならではの話があります。
我が家は打ち合わせのとき、階段をある向きで置きたいと提案しました。ですが通りませんでした。理由はユニットの構造上そこには設置できない、というものでした。
ちなみに我が家は、この階段の下をトイレにしました。位置が決まらないと階段下の使い道も決まらないので、ここも連動して動きます。使い勝手は階段下トイレは後悔する?新築1ヶ月で感じたことにまとめています。
セキスイハイムは工場でつくったユニットを現場で組み上げるユニット工法です。そのぶん品質は安定しますが、階段を置ける場所と向きには制約が出ます。間取りの都合だけで自由に決められるわけではありませんでした。

たとえば桁直のような直階段は、途中に廻りや踊り場がありません。転んだときに下まで落ちやすい構造です。また、限られた長さに収めようとすると段数が減るぶん、勾配も急になりやすくなります。
逆に言えば、勾配をゆるくしたいなら段数の多いプランを選ぶのが素直な考え方です。同じ高さを多い段数で割れば、1段あたりは低くなります。
階段にこだわりたい方は、間取りが固まってから言っても遅いと思っておいたほうがいいです。我が家のように「その向きには置けません」と言われて終わります。
間取りが固まる前に確認しておくこと
私が聞いておけばよかったと思っていることを、そのままリストにします。
- 踏面と蹴上は何cmか。図面に書かれていなければ聞く。これが分からないと他の判断ができません
- その数字と家族でいちばん足が大きい人のサイズを比べる。何cmはみ出るかを先に知っておきます
- 踏面を変えられるのか。変えられるなら、どのプランを選べばそうなるのか
- 置きたい向き・位置にできるのか。ユニットの制約があるので、希望があるなら間取りの初期に伝えます
- 廻り階段か、踊り場のあるプランか。転んだときに途中で止まるかどうかが変わります
- 拡張踊り場は使えるか。踊り場を広げられるプランかどうかを聞いておきます
- すべり止めはノンスリップか溝付か。手すりの位置と本数も同時に決まります
ひとつだけ正直に書いておきます。踏面そのものを何cmと指定できるのかどうか、私は分かりません。確認しないまま決めてしまったからです。
だからこそ、気になる方は早い段階で担当者に聞いてください。「変えられません」と言われたとしても、納得して選んだのと、知らないまま決まったのとでは、住んでからの気持ちがまったく違います。
標準のままでいい人・確認したほうがいい人
- 家族の足のサイズが25cm前後までにおさまっている
- 階段よりリビングや収納の広さを優先したい
- デザインより、面積を有効に使うことを重視している
- 家族に足が26cm以上の人がいる
- 将来にわたって長く住むつもりでいる
- 階段の位置や向きに希望がある
- オープン階段やらせん階段を検討している
我が家は前者のつもりで決めて、住んでから後者だったと気づきました。足のサイズを持ち出したのは、これが誰でもその場で確認できる基準だからです。メジャーがなくても、自分の靴を思い浮かべれば判断できます。
まとめ
今回は、セキスイハイムでU18型階段を採用した共働き夫婦として、階段の実測値と後悔を公開しました。
- 我が家は踏面21.5cm・蹴上20cm・幅81cm・14段。26.5cmの足では約5cmはみ出る
- 住宅の法律上の基準は踏面15cm以上。事務所などの21cm以上よりゆるく、最低ラインでしかない
- 標準の階段プランは17種類あり、オープン階段や拡張踊り場も選べる
- ユニット工法のため置ける向きと場所に制約がある。間取りが固まってからでは通らない
- 業界の目安「蹴上×2+踏面=60cm」では61.5cmでほぼ理想値だった
- いま困ってはいないが、老後を考えると踏面はもう少し欲しかった
セキスイハイムで建てて他に後悔したことは、セキスイハイムの後悔ポイント|住んでわかった本音にまとめています。あわせてどうぞ。
階段は、住み始めてから変えることがほぼできない場所です。図面に書かれた数字を一度だけでいいので見て、自分の足と比べてみてください。それだけで、私と同じ後悔はしなくて済むはずです。

