「太陽光は、本当につけたほうがいいんだろうか」——セキスイハイムの打ち合わせで、そう迷っていませんか。
営業さんからは売電のシミュレーションを見せられる。でも金額は200万円を超える。しかも共働きだと、いちばん発電する日中に家には誰もいない。断って後悔するのも、つけて後悔するのも怖いところです。
結論からお伝えすると、判断の軸は1つだけです。
自分は太陽光に何を期待しているのか。「売電収入」なのか、「月々の光熱費を下げること」なのか。
売電が目的ならつけないほうがいい、自家消費が目的なら検討していい——私はそう考えています。
我が家はセキスイハイムで注文住宅を建てた共働き夫婦。太陽光6.36kWと蓄電池4.9kWhを載せ、見積書では合わせて259万3,000円(税抜)でした。住みはじめて5か月、電気代と売電収入の数字を見てきています。
この記事では、その実数と、売電の単価が5年目に3分の1へ下がるという制度の話を並べます。読み終わるころには、営業さんに返事をする前に自分がどちらのタイプなのかが分かり、パンフレットには載っていない「買った後にかかるお金」まで把握できます。
- セキスイハイムで太陽光を勧められていて、断るか迷っている方
- 共働きで日中は家にいない。それでも太陽光に意味があるのか知りたい方
- 売電収入がどのくらい続くのか、現実的な数字を知りたい方
結論:判断軸は「売電が目的か、自家消費が目的か」
なぜこの1問で決まるのか。太陽光には「売った電気」と「買わずに済んだ電気」という、性質のまったく違う2つの価値があります。そしてこの2つは寿命がぜんぜん違います。
売電収入が目的なら、つけるべきではありません。理由は後ろで数字を出しますが、いまの制度では売電の単価が5年目に3分の1近くまで下がり、10年で固定価格での買い取りも終わって、そこからさらに下がるからです。「売電でお得になりますよ」を動機にしてしまうと、いちばん頼りにしていたものが5年で目減りします。
蓄電池を入れて自家消費を増やしたい、月々の光熱費を下げたいというのが目的なら、検討する価値があります。発電した電気を自分の家で使うぶんには、単価が下がろうがFITが終わろうが関係ありません。買わずに済んだ電気代は、そのまま残り続けます。
我が家はたまたま後者でした。ただ、契約したときにここまで整理できていたかというと、正直あやしいところがあります。
- 売電収入が目的 → つけるべきではありません
- 蓄電池を入れて自家消費で光熱費を下げたい → 検討する価値があります
- どちらにしても、買った後にかかるお金は先に知っておくことが大事です
我が家がつけて分かった、太陽光の良かったところ
まず、つけてよかったと感じている部分を実数で出します。一般論のメリットではなく、我が家の請求書とスマートハイムナビに残っている数字です。
| 2026年7月 | 2026年8月 | |
|---|---|---|
| 電気代 | 5,091円 | 8,171円 |
| 買った電力 | 95kWh | 226kWh |
| 自給自足率 | 6割前後 | 6割前後 |
| 売電収入 | 9,240円 | 9月に確定予定 |
| 差し引き | +約4,100円 | — |
自給自足率は7月も8月も6割前後
2026年7月、電力会社から買った電力は95kWhでした。スマートハイムナビが示す自給自足率は6割前後。使った電気のうち6割ほどを、自分の家で作った電気でまかなえている計算です。
電気代は5,091円。オール電化・夫婦2人の全国平均が月1万3,000円程度と言われるなかで、半分以下に収まりました。
ただし8月は8,171円まで上がりました。日中も在宅する生活に変わってエアコンを24時間つけっぱなしにしたところ、買電が95kWhから226kWhへ約2.4倍になったためです。このとき自給自足率は6割前後のまま変わっていません。割合が同じでも、使う総量が増えれば買う量は増えます。太陽光があっても、夜の消費が増えれば電気代は跳ねます。月ごとの詳しい数字はセキスイハイム オール電化の電気代にまとめています。
7月は差し引きプラス4,100円だった
2026年7月の売電収入は9,240円。同じ月の電気代が5,091円なので、差し引き約4,100円のプラスでした。
電気を買っているのに月末に手元にお金が残る——これは建てる前には想像していなかった感覚です。ただし、この気持ちよさこそが次の章で書く落とし穴でもあります。
停電しても電気が使える
蓄電池があるので、停電しても一定量の電気が使えます。共働きで平日は家を空けているぶん、災害時に「冷蔵庫だけでも動く」という状態を作れるのは安心材料でした。
これは金額に換算しづらい価値なので、損得の計算とは別枠で考えていい部分だと思っています。
それでも「売電が目的」ならやめたほうがいい理由
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
売電の単価は5年目に3分の1になる
資源エネルギー庁が公表している、住宅用太陽光(10kW未満)の買取価格を見てください。2025年度の下半期以降に認定を受けた設備には「初期投資支援スキーム」が適用され、単価が2段階になっています。
住宅用(10kW未満)/2025年10月以降に認定を受けた設備
資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」をもとに整理
最初の4年間:1kWhあたり24円
5年目〜10年目:1kWhあたり8.3円
この価格で買い取ってもらえる期間:10年間
最初の4年間は24円/kWhと高めですが、5年目からは8.3円/kWh。約3分の1です。
そして固定価格での買取期間は10年で終わります。売電できなくなるわけではありませんが、11年目以降、いわゆる卒FITでは、大手電力会社の買取価格は7〜9円/kWh程度が中心です(東京電力8.5円、東北電力9円、北海道電力8円など。2026年時点)。新電力に切り替えれば11〜14円台になる場合もありますが、24円に戻ることはありません。
| 時期 | 売電単価の目安 |
|---|---|
| 1〜4年目 | 24円/kWh |
| 5〜10年目 | 8.3円/kWh |
| 11年目以降(卒FIT) | 7〜9円/kWh程度(新電力なら11〜14円台も) |
「売電でお得」を動機にすると、5年で前提が崩れる
我が家の7月の売電収入は9,240円でした。
もし同じだけ発電して同じだけ売ったとしても、単価が24円から8.3円になれば、この収入は3分の1近くまで落ちます。生活を何も変えていないのに、です。
営業さんの説明も、太陽光をすすめるサイトのシミュレーションも、多くは最初の高い単価を前提に「これだけお得になります」と見せてきます。嘘ではありません。ただ、その数字が10年続くわけではないということは、自分で確かめておく必要があります。
だから私は、売電収入を目的にしている方には太陽光をおすすめしません。いちばん期待しているものが、いちばん早く目減りするからです。
一方、自家消費なら単価の下落は関係ない
逆に、発電した電気を自分の家で使うぶんには、この話は一切効きません。
我が家が自分でまかなっている電力は、使った量のうち6割前後。これは「売った電気」ではなく「買わずに済んだ電気」です。買わずに済んだぶんの価値は電気の購入単価で決まりますし、購入単価は売電単価のように制度で下げられていくものではありません。
蓄電池を入れて夜の消費までまかなえば、この「買わずに済む量」をさらに増やせます。太陽光の価値をFITの外側に置けるかどうか——ここが分かれ目です。
蓄電池の容量については、4.9kWhで暮らしてみた本音をセキスイハイム蓄電池の容量は足りる?にまとめています。
買った後にもお金はかかる
太陽光の話は「いくらで買って、いくら返ってくるか」に寄りがちですが、実際は買ってからも出ていくお金があります。我が家の実額と、一般的な相場を並べます。
- 初期費用(我が家は259万3,000円)
- 固定資産税(屋根一体型は課税対象)
- パワコンの交換(10〜15年で20〜30万円)
- 火災保険の特約
- 発電量の低下(年0.5〜1%)
- 撤去・廃棄費用(15万〜40万円)
初期費用:我が家は259万3,000円
- 太陽光6.36kW(24枚):180万5,000円(税抜)
- 蓄電池4.9kWh(ニチコン):78万8,000円(税抜)
- 合計:259万3,000円(税抜)
※2025年12月時点の資金計画書より。建物全体の金額や値引きの内訳はセキスイハイムの値引き474万|総額と坪単価を全公開で公開しています。
固定資産税:屋根一体型は課税の対象になる
住宅用の10kW未満は、原則として償却資産税の対象外です。ただし屋根一体型は話が別で、パネルが屋根材そのものを兼ねるため「家屋の一部」として建物の固定資産税評価額に加算されます。
セキスイハイムの太陽光は屋根一体型です。つまり我が家は課税される側になります。
ただし我が家はまだ入居して5か月で、固定資産税の通知は届いていません。実際にいくら上乗せされているかは、届いてからこの記事に追記します。
パワコンの交換:10〜15年で20〜30万円
太陽光パネル本体は20〜30年もつと言われますが、パワーコンディショナ(パワコン)の寿命は10〜15年が目安です。交換費用の相場は20〜30万円程度。メーカーのオムロンは、低圧単相5.5kWで1台あたり30〜35万円程度としています。
そして我が家の無償保証は10年です。保証が切れるタイミングと、パワコンが寿命を迎えるタイミングがちょうど重なります。
火災保険の特約:付けた。そのぶん保険料は上がっている
ひょうや台風でパネルが割れる・壊れるリスクに備えて、我が家は火災保険に太陽光の特約を付けました。
正直に書くと、保険料のうち太陽光ぶんがいくらなのかは分けて計算できていません。ただ、特約を付けたことで割高になっているのは確かです。「設備を買って終わり」ではなく、毎年の固定費が少し増えるという感覚は持っておいたほうがいいと思います。
発電量は少しずつ落ちる
太陽光パネルの出力は、一般に年0.5〜1%程度ずつ低下すると言われています。10年経てば、単純計算で最初の1割前後は落ちることになります。
シミュレーションが初年度の発電量のまま何年も並んでいたら、そこは差し引いて見ておくのが安全です。
撤去・廃棄費用:外すときにもお金がかかる
将来パネルを外すときの撤去・処分費用は、住宅用でおおよそ15万〜40万円が相場とされています。屋根の形状や足場の要否で幅が出ます。
屋根の葺き替えやリフォーム、住み替えなどで途中でパネルを外す可能性があるなら、この費用も最初から見込んでおく必要があります。載せるときの金額だけで判断しないほうが安全です。
屋根一体型かどうかで、リスクの中身が変わる
太陽光のデメリットとしてよく挙がるのが雨漏りです。ただしこれは、載せ方によって話が変わります。
後付けで屋根の上に架台を組むタイプは、屋根に穴を開けて固定します。施工の質によっては、そこが雨漏りの入り口になり得ます。
一方セキスイハイムの太陽光は屋根一体型で、パネル自体が屋根材を兼ねています。後から穴を開けて留めるわけではないので、この形の雨漏りリスクは構造的に生じにくい作りです。ここは正直、ハイムを選んでよかったと感じている部分です。
ただし一体型には一体型のトレードオフがあります。屋根材扱いになるぶん固定資産税の対象になりますし、将来パネルだけを外すという選択も取りづらくなります。
どちらが良い悪いではなく、負うリスクの種類が違うだけです。
それでも太陽光をつけていい人・やめたほうがいい人
ここまでの話を、判断できる形に整理します。
- 売電収入を主な目的にしている
- 蓄電池は入れず、太陽光だけで考えている
- 初期費用を抑えたい、住宅ローンをこれ以上増やしたくない
- 買った後にかかるお金(パワコン・保険・撤去)を計算に入れていない
- 蓄電池とセットで、自家消費を増やして光熱費を下げたい
- 停電時に電気が使える状態を作っておきたい
- 初期費用と将来の費用を把握したうえで、それでも納得できる
我が家はどうだったかというと、結果的に後者に当てはまっていました。ただ、契約の時点で「売電でプラスになりますよ」という説明にいちばん惹かれていたのも事実です。そのまま売電を頼りにしていたら、5年目で肩透かしを食らっていたと思います。
だからこそ、この記事を読んでいる方には、営業さんに返事をする前に一度だけ自問してほしいのです。自分は売電が欲しいのか、それとも光熱費を下げたいのか。
まとめ
今回は、セキスイハイムで太陽光6.36kW+蓄電池4.9kWhを載せた共働き夫婦として、「太陽光はいらないのか」を我が家の実数と制度の数字から考えました。
- 判断軸は「売電が目的か、自家消費が目的か」の1つ
- 売電単価は1〜4年目24円 → 5年目から8.3円 → 11年目以降は7〜9円。売電を目的にすると前提が崩れる
- 自家消費なら単価の下落は関係ない。蓄電池とセットなら検討する価値がある
- 初期費用のほかに、固定資産税・パワコン交換・保険・撤去費用がかかる
- 屋根一体型は穴あけによる雨漏りリスクが生じにくい一方、固定資産税の対象になる
我が家はまだ入居して5か月で、冬のデータがありません。暖房を使う季節にどうなるかを見るまで、年間の収支は正直まだ言えないというのが本当のところです。データが揃ったら、この記事にも追記します。
この太陽光を載せた家がいくらだったのか、何を採用して何をやめたのかはセキスイハイムで建てたブログ|実例と住み心地の全記録に全部出しています。
